自動車産業における「電気自動車(電動化)」「自動運転(自動化)」「サービス化」等の大変革の影響は、当然にサプライヤーにもおよびます。特に、「電気自動車(電動化)」の影響は直接的な影響となり、エコシステムを大きく変化させると考えられます。
下図に示されるように、必要となる機能・部材が変化し、ガソリン駆動から電気駆動に変化し、製造工程が変化します。大変革となります。
エコシステムの変化では、「電気自動車(電動化)」で不要となる部品、新たに必要となる部品が生じます。下図に示されるように、機械的な部品、電装部品、ユニット、素材等、多種多様な面で変更がなされると考えます。
サプライヤー各社においても、自社のおかれた状況を正確に把握し、拡大・縮小・別分野への展開等、戦略的な意思決定・対応が必要になると考えます。変化の流れに乗る領域と、変化にのれない領域とを正確に把握し、自社に適した戦略を個別に検討・立案・実施することが重要であると考えます。
エコシステムの変化において、電装・電子機器Grは流れに乗るGrであると考えます。ただし、バッテリー等の分野においては、電気Grが新規参入してくるため、新たな競合関係が生じるという面もあり、変化に対応した戦略立案等が必要になると考えます。
エコシステムの変化において、エンジン等を中心とした部品を担当する「メカ系Gr」にマイナスの影響が及ぶと考えられます。新しい事業の模索等が必要⇒戦略の検討・立案が最も必要・重要な分野であると思います。
また、エコシステムの変化において、車体の更なる軽量化・強度強化等の要請より、素材メーカにも影響が及ぶと考えます。鋼板から軽量・高強度の素材(炭素繊維等)にシフトすると予測され、サプライヤーへの影響も大きいと思われます。
従来のサプライヤーを「電装・電子機器系Gr」「メカ系Gr」「素材系Gr」に分類し、新規参入するグループを「IT系Gr」「電気Gr」として整理すると、下図のようになると考えます。青矢印は拡張、黄色矢印は現状維持・縮小傾向、赤矢印は縮小・消滅、オレンジ矢印は競合・協働、白抜き矢印は参入、というイメージです。
概要は以下の通りと考えます。
「電装・電子機器Gr」
・大きく拡張傾向であり、自動車メーカGrの競合・協業のGrとなる。
・純粋な自動車関係の開発・生産についてはメインプレーヤーになる可能性が大きい。
「IT系Gr」
・自動車メーカGrが弱いサービス分野において、競合・協業のGrとなる。
・自動車メーカGrにとっては、有力なIT系企業と協業できるかが重要。
「メカGr」
・技術分野によっては、縮小・消滅となる。
・海外展開、新事業展開等が必要。戦略立案・実施が重要になるGr。
「素材系Gr」
・鋼板等の従来の素材から軽量・高機能素材に転換。
・アルミや炭素繊維に強い企業にチャンス大。
上述の通り、変化を正確に把握し、自社の立ち位置を確認し、必要な戦略を立案・実施することが非常に重要であると考えます。特に、下り坂の企業ほど舵取りが難しいことは明白ですので、有効な戦略の必要性は切実であると思います。
<関連ページ>
キーワード:自動車業界調査,自動車産業調査,自動車産業調査分析,自動車産業知財分析,自動車業界知財分析,自動車知財分析,大変革期,自動車コンサルティング,自動車向けコンサルティング,自動車メーカコンサルティング,自動車サプライヤ大変革,業態変化,自動車産業のサービス化,自動車業界の経営戦略,自動車業界の事業戦略,自動車業界のR&D戦略,自動車業界の知財戦略,自動車メーカの経営戦略,自動車メーカの事業戦略,自動車メーカのR&D戦略,自動車メーカの知財戦略,IPランドスケープ