サプライヤGrの調査分析を行いました。
サプライヤGrとして、「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」「メカ系Gr」「素材Gr」について調査分析しています。また、各Gr内で以下のように分類して調査分析しています。
「IT系Gr」
・IT上流:インフラ IT1:6社
・IT下流:サービス IT2:6社
「電装・電子機器Gr」
・既存:電装・電子 E1 :8社
・参入:電気・電子機器 E2 :5社
「メカ系Gr」
・電気自動車等に必要 M1 :7社
・電気自動車等に不要 M2 :7社
「素材Gr」
・鉄鋼 S1 : 2社
・鉄鋼・アルミ S2 : 2社
・アルミ S3 : 3社
・炭素 S4 : 3社
「IT系Gr」について、「電気自動車」「自動運転」「サービス」の各分野における出願公開件数等を調査分析しました。
まず、「電気自動車」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・IT系全体:50-100件、720件/近10年
○IT1(上流・インフラ):717件/近10年(99.4%)
×IT2(下流・サービス : 4件/近10年(0.6%)
全体としては、以下の通りです。
★IT1(上流・インフラ)Grは、電気自動車分野に対応している。
次いで、「自動運転(運転支援+自動化)」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・IT系全体:15-70件、300件/近10年
○IT1(上流・インフラ):12-53件、53件/近10年(90%)
×IT2(下流・サービス): 0-15件、16件/近10年(10%)
全体としては、以下の通りです。
★IT1(上流・インフラ)Grは、自動運転分野に対応している。
★2015年頃から上昇している。自動車メーカGrと類似の挙動。
続けて、「自動運転(運転支援)」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・IT系全体:10-45件、180件/近10年
○IT1(上流・インフラ):7-45件、170件/近10年(93.9%)
×IT2(下流・サービス): 0-5件、15件/近10年(7.2%)
全体としては、以下の通りです。
★IT1(上流・インフラ)Grは、自動運転(支援)分野に対応している。
続けて、「自動運転(自動化)」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・IT系全体:3-20件、120件/近10年
○IT1(上流・インフラ):3-40件、100件/近10年(84.2%)
△IT2(下流・サービス):0-11件、 17件/近10年(14.2%)
全体としては、以下の通りです。
★IT1(上流・インフラ)Grは、自動運転(自動)分野に対応している。
★IT2(下流・サービス)Grも自動運転(自動)に対応しはじめている様子。
続けて、「サービス」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・IT系全体:10-35件、230件/近10年
○IT1(上流・インフラ):10-35件、200件/近10年(85.7%)
△IT2(下流・サービス): 0-12件、 33件/近10年(14.3%)
全体としては、以下の通りです。
★IT1(上流・インフラ)Grはサービス分野に対応している。
★IT2(下流・サービス)Grもサービス分野に対応しはじめている様子。
⇒IT1、IT2ともに要増加(件数が多いとはいえない)
「電装・電子機器Gr」について、「電気自動車」「自動運転」「サービス」の各分野における出願公開件数等を調査分析しました。
まず、「電気自動車」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・E全体:300-1000件、6700件/近10年
○E1(既存:電装・電子) :200-550件、4000件/近10年(61.8%)
△E2(参入:電気・電子機器):170-420件、2500件/近10年(37.2%)
全体としては、以下の通りです。
★E1(既存:電装・電子) 、E2(参入:電気・電子機器)ともに、電気自動車分野に十分に対応。
★E1の方が全般的に強い対応
次いで、「自動運転(運転支援+自動化)」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・E全体:130-500件、2200件/近10年
○E1(既存:電装・電子) :100-350件、1700件/近10年(77.4%)
△E2(参入:電気・電子機器): 20-120件、 400件/近10年(18%)
全体としては、以下の通りです。
★E1(既存:電装・電子) は、自動運転分野に十分に対応。
★E2(参入:電気・電子機器)は自動運転分野への対応が薄い。
ただし、2016年から増加しているので今後は対応が厚くなる可能性あり。
続けて、「自動運転(運転支援)」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・E全体:120-210件、1600件/近10年
○E1(既存:電装・電子) :100-165件、1300件/近10年(81.6%)
△E2(参入:電気・電子機器): 10-30件、 190件/近10年(12%)
全体としては、以下の通りです。
★E1(既存:電装・電子) は、自動運転(支援)分野に十分に対応。
2014年から継続的に増加。
★E2(参入:電気・電子機器)は自動運転分野への対応が薄い。
2017年減少は懸念材料。⇒対象外と認識?
続けて、「自動運転(自動化)」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・E全体:10-300件、620件/近10年
○E1(既存:電装・電子) :5-180件、420件/近10年(66.7%)
△E2(参入:電気・電子機器):2-100件、210件/近10年(33.3%)
全体としては、以下の通りです。
★E1(既存:電装・電子) 、E2(参入:電気・電子機器)ともに、自動運転(自動)分野に十分に対応。
★E2:支援への対応は薄いが自動への対応は強い。2016年から急上昇中。
続けて、「サービス」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・E全体:10-40件、270件/近10年
○E1(既存:電装・電子) :7-25件、180件/近10年(67.7%)
△E2(参入:電気・電子機器):5-20件、 90件/近10年(32.3%)
全体としては、以下の通りです。
★E1(既存:電装・電子) 、E2(参入:電気・電子機器)ともにサービス分野に対応。
★E1の方が全般的に強い対応
「メカ系Gr」について、「電気自動車」「自動運転」「サービス」の各分野における出願公開件数等を調査分析しました。
まず、「電気自動車」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・M全体:35-85件、610件/近10年
○M1(電気自動車・自動運転○):25-80件、570件/近10年(93.6%)
×M2(電気自動車・自動運転△): 1-11件、 37件/近10年(6.1%)
全体としては、以下の通りです。
★M1(電気自動車・自動運転○)は、電気自動車分野に十分に対応。
★M2(電気自動車・自動運転△)は、電気自動車分野への対応が薄い。全般的に少ない。
続けて、「自動運転」分野における結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
・M全体:7-40件、151件/近10年
○M1(電気自動車・自動運転○): 7-40件、151件(100%)/近10年
×M2(電気自動車・自動運転△): 0件⇒対応なし
全体としては、以下の通りです。
★M1(電気自動車・自動運転○)は、自動運転分野に対応。
★M2(電気自動車・自動運転△)は自動運転分野へ対応していない。
また、「サービス分野」における結果は、M1、M2ともに0件。
★M1、M2とも、「サービス」分野には全く対応していない。
ここで、従来のメインサプライヤの関与度合いの変化を確認しました。
具体的には、メカGrとE1(既存:電装・電子機器)Grとを比較⇒関与度合いの変化(差)を確認しました。結果は下図の通りです。
従来:「エンジン自動車」の分野では、メカGrはE1Grの50%弱の件数
↓
今後:「電気自動車」の分野では、メカGrはE1Grの15%程度の件数
「自動運転」の分野では、メカGrはE1Grの10%弱の件数
「サービス」の分野では、メカGrは0件
★上述より、「エンジン自動車」を従来(現在)の関係とすると、メカGrは、今後重要になる「電気自動車」「自動運転」「サービス」のいずれに対しても対応(関与)が薄いことがわかる。
「素材系Gr」について、「電気自動車」「自動運転」「サービス」の各分野における出願公開件数等を調査分析しました。「自動運転」「サービス」は、ほぼ0件でしたので、「電気自動車」分野について調査分析した結果を下図に示します。また、現状として「エンジン自動車」分野における調査も行いました。
全体としては、以下の通りです。
現状:○エンジン自動車:S2(鉄鋼+アルミ)、S1(鉄鋼)の件数が多い。
今後:★電気自動車:S4(炭素)、S3(アルミ)、S2(鉄鋼+アルミ)の順で多い。⇒電気自動車の素材としては、炭素、アルミが重要か。
「IT系Gr」「電装・電子機器系Gr」「メカ系Gr」「素材系Gr」についての調査結果より、下図のような関係になることがわかりました。青矢印は拡張、黄色矢印は現状維持・縮小傾向、赤矢印は縮小・消滅、オレンジ矢印は競合・協働、白抜き矢印は参入とし、各Gr(内部Gr)を相当する位置に記載しました。この関係は、大枠の立ち位置を示すもので、今後の対応方針の参考になるかと思います。
○青矢印(拡張):E1、E2、M1、S3、S4
△黄色矢印(現状維持・縮小傾向):M2、S1、S2
×赤矢印(縮小・消滅):M2
●オレンジ矢印(競合・協業):IT、E
☆白抜き矢印(参入):IT、E2
変化を正確に把握し、自社の立ち位置を確認し、必要な戦略を立案・実施することが非常に重要であると考えます。特に、△×(M2,S1、S2)の下り坂の企業ほど舵取りが難しいことは明白ですので、有効な戦略の必要性は切実であると思います。
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