自動車Grの分析結果より、「電気自動車」「自動運転」「サービス」の各分野において、自動車Grは、概ね主導的な立場を確保していると思われます。しかし、詳細に検討すると、以下の通り、主導的ではない分野もあり、主導的であっても脅威・競合となるGrも存在することが予想されます。
<結果まとめ:自動車Gr>
○電気自動車「45~50%」:主導といえる。
とはいえ脅威・競合Grはあるであろう。
△自動運転 「30~40%」:メインGrであるが、主導とまではいえないか。
同程度の脅威・競合Grがある可能性は高い。
×サービス 「約10%」:自動車以外のGrが主導しているか。
同程度の脅威・競合Grとして複数存在している。
上記より、自動車メーカの脅威となり競合するGrとして、「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」を候補として選択し、調査分析しました。正確には競合だけでなく協業する場合も多いと思いますので、競合+協業するGrとして、「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」について、「自動車メーカGr」と比較しながら、関係性・脅威等を把握する調査分析をしました。
「IT系Gr」は、主に、サービス分野で「自動車Gr」と競合等し、「電装・電子機器Gr」は、主に電気自動車分野、自動運転分野で「自動車Gr」と競合等すると考えています。
「電気自動車」分野において、各Gr「自動車Gr」「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」の出願公開件数等を比較しました。
結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
◎自動車メーカ:1500-2300件、17800/近10年(45.8%)
×IT系:50-100件、720件/近10年(1.9%)
○電装・電子機器:350-950件、6600件/近10年(16.9%)
全体としては、以下の通りです。
★電気自動車分野において、「電装・電子器機器Gr」は自動車Grの競合Grといえる。
★電装・電子機器Grはサプライヤ兼競合Gr。
「自動運転分野(運転支援+自動化)」分野において、各Gr「自動車Gr」「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」の出願公開件数等を比較しました。
結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
◎自動車メーカ:230-660件、3300/近10年(36.9%)
×IT系:15-70件、300件/近10年(3.6%)
○電装・電子機器:140-320件、2200件/近10年(26.1%)
全体としては、以下の通りです。
★自動運転分野において、「電装・電子器機器Gr」は自動車Grの競合Grといえる。
★電気自動車分野よりも差が小さい。より強い競合Gr。
★電装・電子機器Grはサプライヤ兼競合Gr
「自動運転分野(運転支援)」分野において、各Gr「自動車Gr」「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」の出願公開件数等を比較しました。
結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
◎自動車メーカ450-600件、5000/近10年(45.8%)
×IT系:9-43件、180件/近10年(3.6%)
○電装・電子機器:130-210件、1600件/近10年(31.4%)
全体としては、以下の通りです。
★自動運転(支援)分野において、「電装・電子器機器Gr」は自動車Grの競合Grといえる。
★特に近年は順調に増加+件数も近くなっており、より強い競合Gr。
「自動運転分野(自動化)」分野において、各Gr「自動車Gr」「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」の出願公開件数等を比較しました。
結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
◎自動車メーカ:25-400件、1030/近10年(30.4%)
×IT系:3-20件、120件/近10年(3.5%)
○電装・電子機器:13-290件、620件/近10年(18.4%)
全体としては、以下の通りです。
★自動運転(自動)分野において、「電装・電子器機器Gr」は自動車Grの競合Grといえる。
★近年、「自動車Gr」と「電装・電子機器Gr」はともに急上昇
⇒開発競争になっている印象で、より強い競合Gr。
「サービス」分野において、各Gr「自動車Gr」「IT系Gr」「電装・電子機器Gr」の出願公開件数等を比較しました。
結果は以下の通りです。
<各年件数、近10年合計件数、対国内シェア>
◎自動車メーカ20-40件、265/近10年(11.2%)
×IT系:13-36件、231件/近10年(9.7%)
○電装・電子機器:12-37件、270件/近10年(11.3%)
全体としては、以下の通りです。
★サービス分野において、「IT系Gr」「電装・電子器機器Gr」ともに自動車Grの競合Grといえる。
★いずれのGrとも10%程度であるので、他の競合Grが存在する可能性もある。
★各Grともに主導チャンスある分野
下記に競合関係等をまとめた図を示します。
全体的には、以下の通りとなります。
○「電気自動車分野」
・自動車メーカGrが主導的立場
・電装電子機器Grは有力なGr。
○「自動運転分野」
・自動車メーカGrは主導に近い優位
・電装・電子機器Grは強力な競合Gr。
特に、自動化の分野では主導に迫る強力なGr。
・IT系Grは、現時点では競合ではないが、自動家の分野では存在感を増す
可能性がある。
○「サービス分野」
・各Grとも同程度の件数・シェアである。
・自動車メーカGrは主導的立場とはいえない。
自動車メーカGrの弱点・強化すべき点。
・電装・電子機器Gr、IT系Grとも主導権を握るチャンスがある分野
今後は、特許面での競合関係を、事業面での競合関係and/or協業関係に展開することが継続的に進むと思います。特に、自動運転分野(自動化)、サービス分野は、協業関係の構築が重要になると思われます。
その他、自動車メーカGrにとっては、事業利益・社会的な支配力を考えると、サービス分野への更なる注力が重要であると考えます。
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